関係者インタビュー

ーー 小学校の歴史についてお聞かせください。

大正15年4月1日に東京府荏原郡荏原尋常小学校(若林小学校)大原分校として開設開校され、昭和2年7月7日に東京府荏原郡第三荏原尋常小学校として独立しました。この日が開校記念日となっています。当時の児童数は801名、職員数は17名でした。平成28年3月31日、88年の歴史に幕を閉じ、閉校。児童数は256名、職員数は25名でした。

ーー 「校舎の思い出プロジェクト」を行うことになったきっかけについてお聞かせください。

下北沢一番街商店街振興組合の副理事長・大塚さんが文房具店を営んでおり、ぺんてるとキヤノンマーケティングジャパンが「校舎の思い出プロジェクト」を展開しているという情報を下さったのがきっかけです。最初の打合せで、通常は数ヶ月かけて作品制作に取り組む学校が多いので、たった1日のイベントでは少々難しいかもしれないと言われ、ダメなのかなぁと思っていました。

ーー 「校舎の思い出プロジェクト」のサポートプログラムはいかがでしたでしょうか?

最高でした!最初は硬いことを言うなぁと感じることもありましたが(失礼!)、振り返ると腹蔵なく話し合える関係が早期に構築できていました。

ーー 特に印象に残っているエピソードなどあれば教えてください。

閉校し、校舎の管理責任が学校から教育委員会へ移った後に実施するイベントにも関わらず、片山裕治校長先生が実行委員会にオブザーバーとして参加して下さり、「参加者に自由に描かせるとグレーの壁になる」「思い出として残すならちゃんとした作品になるよう工夫すべき」という意見を下さったことです。 その後のプロジェクト展開において、協力して下さったTSUTOMU NAGAI先生とも「どうすればただのグレーの壁にならずにすむか」を話し合い、事前にヒミツ会議を開催したり、当日もデモンストレーションを実施し描き方を明確に示したりしました。
他には、「校舎の思い出プロジェクト」へ取り組む様子を『校舎に描こう感謝の思い出 世田谷・東大原小、統合で88年の歴史に幕』という記事で東京新聞さんに取り上げていただいたことです。その記事がきっかけで、在京キー局から取材依頼がありましたし、J:COMさんやエフエム世田谷さんからも協力を得やすかったと思います。このプロジェクトは、本校閉校イベント「さようなら東大原小学校の会」全体からすれば一部コーナーという位置づけなのですが、紛れもなく超目玉イベントでした。プロジェクト担当として活動できたこと、心から感謝しております。ありがとうございました!

ーー 学校の壁という本来描いてはいけない場所に、初めて子供たちが描いていくときはどのような反応でしたか?

子供たちだけに限らず、その保護者はもちろん、サポートスタッフである下北沢一番街商店街青年部の皆さんまで、夢中になって絵を描いていました。普通なら「コラ!誰だ!こんなところに絵を描いたのは!」と叱られるところに、思いっきり描けるというのはスペシャルな体験で、一生心に残る思い出になったと思います。
また、校舎の解体工事が進んでいく中で、皆さんが描いた作品がむき出しになって、青空の下、姿を見せていました。この作品を壊すことは、業者さんにとってもきっと心苦しいだろうなぁ、と感じました。

ーー 子供たちが撮影した写真をご覧になって、いかがでしたか?

映る人も無防備になるのか、みんな自然な感じで映っているなと感じました。

ーー 児童や保護者の皆さん、地域住民の方の反応はいかがでしたか?

参加した児童や保護者はもちろん楽しめましたし、来校され作品をご覧頂いた地域の皆さまも、校舎をキャンバスに描かれたエネルギッシュな作品に目を細めていらっしゃいました。

ーー 今後、「校舎の思い出プロジェクト」を多くの小学校にて展開をしていきたいと考えております。このプロジェクトに今後期待することや、メッセージがございましたらお聞かせください。

今後もこのプロジェクトを展開していくとのこと、嬉しい限りです。ぜひ、これからも素敵な思い出をたくさん作り、残してあげてください。西校舎だけが今回のプロジェクトのように捉えてしまいがちですが、フリースペースの体育館も一環で、そこには中学生以上の方々が校舎への想いを描かれていました。そこでの画材バリエーションがもっとあったらいいなぁと思いました。また、TSUTOMU NAGAI先生のような被災地支援をされているアーティストをこのプロジェクトの協力アーティストとして登録する、そんなシステムを導入されてはいかがでしょうか。取り壊される校舎に感謝の気持ちを込めて思い出を作り、思い出を残したい-という気持ちはあってもヒトがいない。そんな理由でプロジェクトに参加できない学校があるのは残念ですし、またプロジェクトに参加できてもどう進めれば良いのか悩んで負担になってしまったり、きちんとした作品を残せなかったりするのは悲しいと思います。

 

東京都世田谷区立東大原小学校のページへ ≫

PAGE TOP